TOEICパート7の長い長文問題が苦手で時間内に最後までたどり着けない。
いっそ、こんな時間がかかるなら捨てようと考えた事がある方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください!
あなたがTOEICを受験する目的は何ですか?
単にスコアだけなら最初から捨てるのもありですが、このページを見ている50代のみなさんはそうではなく、目標スコア取得後に英語を使ってなにか夢を叶えるために受験しているのではないでしょうか?
私も会社の制度でどうしてもスコアが必要な時に長い長文問題を最初から捨てたことがありましたが、実際にスコアが伸びたのはその長文に真剣に取り組んだ時でした。
この記事では長い長文問題対策をジャンル毎に分けて、その具体的な解き方のコツと勉強法をお伝えします。そして最後にスコアメイクのために「捨てる問題」について解説します。
問題を捨てるのは試験が始まってからでも遅くありません。
今回、あなたの夢に近づく目的で長い長文問題に真剣に取り組んでみませんか。
TOEICパート7の長文問題の種類とジャンルのおさらい
TOEICの長文問題の「種類」は、1セットの問題の文章数により3種類あります。
その文章数は1から3つで各々○○パッセージ(*)と呼ばれています。
*:パッセージ(passage) 本、曲などの一節、一句、引用部
その問題が15セットあり、
10セットがシングルパッセージ(文書数1)
2セットがダブルパッセージ(文章数2)
3セットがトリプルパッセージ(文章数3)です。
次に「ジャンル」はその各々のパッセージ(文章)の種類のことで約20種類あります。
今回解説する長い長文問題は、主にシングルパッセージの後半2セット、そしてダブルパッセージとトリプルパッセージの一部の文章で1000〜1500文字の文章です。
TOEICの長い長文問題を勉強するメリット
具体的な解説の前にモチベーション維持のため、長い長文問題を勉強するメリットを整理しておきましょう。
■メリット
- 典型的なジャンル毎に英語文章の構成が理解できる
- 長文の読解力と読む速度が向上する
- ダブルパッセージ、トリプルパッセージの読解力も上がる
逆にデメリットは特にありませんが、敢えて言うと、
- 勉強に時間がかかる割にスコアが上がるまで時間がかかる
- 日本語でも解読が難しい問題もあり解けなくてメンタル的に凹む
- 平和解決する内容しか学べない(TOEICで扱わない極端な英語は学べない)
のようなことがあります。
長い長文問題の解き方のコツ(E-mail)
ここからは具体的な問題を使って解き方の解説を行います。
これまでのように一方通行で解けない場合もあり、番号があちこちしますが頑張って(良い意味で)自己流を見つけてください。
- 表題をみてE-mailと判断
- 差し出し人がEllen Alves(Alさん)であることを把握
人名を全部記憶すると混乱するので”勝手に”ニックネームつけて記憶 - 宛先がAndrew Ruzinski(Ruさん)であることを把握
- CcがHyun Shik Nam(Shi Naさん)に送られていることを把握
- 件名=目的がCarla Cunha(Cunさん)のsubsitiute=代行依頼と理解
→subsitiuteの意味不明の場合も時間をかけず進む(本文内で把握) - 日付をチラ見する→時系列の設問のキーワードになるケースがあるため
- 文頭と文末の名前を確認
→宛先と差出人に間違いがないか?文中でなんと呼ばれているか把握する - 1文目を読む→AlさんのチームがRuさんに2週間助けを依頼するe-mailであることを把握
- 設問#172を読む→Ruさんが何者か?⇨前半から中盤に答えがありそう
- 設問#173を読む→Alさんの依頼は何か?⇨先頭部分で解答できそう
- 設問#174を読む→ALさんがRuさんになぜ会いたいか?⇨最後の方に記載されていそう
- 設問#175の挿入文を読む→男性があなたのチームあなたの仕事を引き受ける=依頼を受諾する人のセリフ
- 問題文の続きを読む
- 挿入候補「1」「2」で#175を検討→不適なので読み進める
Carla Cunha(Carlさん)が病欠するので、Alさんのチームが困っている。Carlさんの仕事の検証が必要 - #172の選択肢を確認→ year-end financial documentsをverified (決算書の確認)を助けて欲しいと書いてあるので、解答は(B)のacccountant(会計士)と仮確定し次に進む
- #173の選択肢を確認→(A)のようだが(C)も捨てきれないので保留し次に進む
- 挿入候補「3」で#175を検討→リーダーのShiさんがOKと言っている
⇨#175の解答(C)確定
⇨#173の解答(A)確定 - 最終パラグラフを読む(なんらかの依頼があるはず)
→あなた(Alさん)にそのソフトウェアの使い方を会って見せたい - #174の選択肢を確認→(A)が解答と確定
*書き込み資料の出典 公式問題集TOEIC®️Listening &Reading問題集3
長い長文問題の解き方のコツ(article 記事)
次に最も苦手な人が多いarticle(記事)の解き方を具体的に見て行きましょう。
- 表題を見てarticle(記事)だと覚悟する
- タイトル(無いこともあります)を読む→キャンディーを売りの子供が財布を見つけた⇨記事独特の短縮表現注意。今回はローカル紙のほのぼの記事と予測
- 1文めを読む→13歳のTim君が大金の入った財布をみつけた事に関する記事である事を把握
- 設問#168を読む→Tim君の事なので最初の方で解答できると予測
- 設問#169を読む→NOT問題、wallet(財布)に関する記述箇所で解答する
- 設問#170を読む→Tim君がもらったお礼は何か?中盤から後半で解答する
- 設問#171を読む→語彙問題なので6パラグラフ1行目がどこか目星をつけておく
- 2文目以降を読む→Tim君がなぜキャンディー売りをしていたかの記述を発見
- 設問#168の選択肢を見る→(B)は○、(C)は✖️、あとは不明なので保留
- 続きを読む→財布に関する記述を発見
- 設問#169の選択肢を見る→一つずつ検証⇨運転免許の記述が無く解答は(D)
- 第2パラグラフを読む→財布を持ち主のBradlin(Mr.B)に返したいので助けを探した⇨解答に関係する記述なし
- 第3パラグラフを読む→Mr.Bが近隣のThurmont Bicycles(Thu自転車)のオーナーと分かった⇨#168(A)は引っ掛けと判断
- 第4パラグラフを読む→clerk(店員)がMr.Bに電話してMr.Bが駆けつけた⇨#168(D)は引っ掛けと判断
- 第5パラグラフを読む→Mr.BからTim君へのお礼の記事であり、慎重に読む
- 設問#170の選択肢を見る→ユニフォームを買う費用を寄付してもらった
⇨解答は(C)と判断 - 第6パラグラフを読む→「deed」の意味を「行い」的な意味と予測
- 設問#171の選択肢を見る⇨解答は(A)と判断
*書き込み資料の出典 公式問題集TOEIC®️Listening &Reading問題集3
長い長文問題の勉強法
ここまで、長い長文問題の解き方を解説してきましたが、ここからは私が実践して効果があった6つの勉強法をご紹介します。
1英文の構成を理解して長文を読む練習をする
英語の文章は日本の起承転結ではなく結論を先に書くのはご存知と思いますが、更に文章のジャンルにより構成がほぼ決まっており、それを意識して読む練習をすることで解答を見つける場所の見当がつくようになります。
■事例■
■一般的
1 Introduction 導入部
2 Body 本文
3 Conclusion 結論 /Summary まとめ
■ビジネスレター、e-mail
1 Greeting 挨拶
2 Purpose目的
3 Detail 詳細
4 Action アクション・依頼
5 Closing クロージング
■記事
1 Headline 見出し
2 Lead リード文
3 Body 本文
■レポート・レビュー
1 Point 結論
2 Reason 理由
3 Example 事例
4 Point 結論
■告知・解説
1 Overview 概要
2 Details 説明
3 Summary まとめ
2文章ジャンル、問題タイプ別に自己流の解き方・手順を確立する
ここまで何度も文書のジャンルや問題のタイプ別の解き方や手順を解説してきましたが、それを「自分流」に確立するのがコツです。
そのポイントは次のとおりです。
1先に設問を読むか読まないか?
2選択肢はいつ読むか?
3問題をいつ解くか? 文中か? 全部読み終わってからか?
具体的な方法はこのブログの「長い長文問題の解き方のコツ」の解説を御覧ください。
3固有名詞、名前、大文字単語、略字に惑わされない練習をする
これは皆さんも経験あると思いますが、長い長文問題には聞き慣れない地名、架空の長い会社名、イベント名、組織等がこのような形で出てきます。
この対策のお勧めはイニシャルまたは勝手にニックネームにして読み進めることです。
その理由は、それを覚えても解答のキーになることが稀で、識別できれば充分解答できるからです。
ぜひ普段から長文を読む時にこの練習をして慣れるようにしてください。
下記がサンプルになりますが、これも「長い長文問題の解き方のコツ」項で解説していますので参考にしてください。
Ellen Alves⇨ Alさん(アルさん)
Andrew Ruzinski⇨Ruさん(ルゥさん)
THURMONT⇨ Thuモント(スモント)正確な読み方に拘らず、自分の記憶しやすさで決める(実際は米国メリーランド州の”サーモント”と言う街)
Thurmont Bicycles⇨Thu自転車(ス自転車orスモント自転車)
4日本語訳を理解してから英文を音読する
長文に慣れるのによく「音読」が推薦されていますが、私自身その効果には懐疑的でしたした。しかし日本語訳をしっかり理解してから「音読」することで格段に長文が読みやすくなりました。
練習のコツは次の通りです。
- 日本語訳を繰り返し読んで内容を理解する→意外に単純な内容が多いと思います
- その日本語を念頭に英文を音読して違和感を感じた部分で止めて日本語訳を調べる→単語や熟語以外に独特な省略や修飾に気づいて、その場で調べることで記憶に残ります
- 違和感がなくなるまで繰り返し音読する
5初見の長文に慣れる
当たり前ですが、TOEIC本番では必ず初見の長文を読まなくてはなりません。しかも速く。
この初見の長文を読む力をつけるには「慣れる」のが一番です。
しかし、慣れるにもTOEICの問題集の問題数は限られており、どうしたら良いか悩んでいる方も多いと思います。
そこで、特に50代のみなさんにお勧めなのが「NHKワールドJAPAN」の記事です。
なぜなら旬のニュースが英語で報道されており、日本語のNHK放送で同じ内容を知ることができるからです。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/
内容も政治経済からスポーツ・芸能まで幅広くダイジェスト動画(英語)も見られるので、50代の皆さんにとって恰好の勉強材料だと思います。
慣れてきたら目標時間を決めて速く読む練習をすると更に効果的ですので、ぜひトライしてください。
6目標スコアの単語を覚える
これはパート7の長い長文に限らず全パート共通で、TOEICは目標レベルの単語を習得しないとそのスコアは取れません。
この単語の覚え方については下記のブログで詳しく解説していますのでご覧ください。
↓↓↓
しかし、単語の暗記って単調ですよね。
なんとかならないかと思っている皆さんは、ぜひ「初見の長文に慣れる」項で紹介した「NHKワールドJAPAN」を活用した方法に取り組んでください。
特に「NHKワールドJAPAN」のニュースでTOEICの長い長文問題に出てくる難解な単語が使われることがあり、興味のある文章の中で勉強することで記憶に定着しやすくなるからです。
私もsimultaneously(同時に)と言う単語がどうしても覚えらなかったのですが「NHKワールドJAPAN」のニュースで使われて一発で覚えました。
捨てる問題
冒頭に書いた通り、最初から捨てる問題を決めるのはいかがなものかと思いますが、実際に長い長文の中には自分が知らない分野やどうしても不明な単語や表現に出くわすことがあります。
試験の場でそんな問題に遭遇した場合は、さっと捨てて次に進むべきと思います。
しかし全文わからなくても部分的に読めば解答できる問題もあり、ここでは”どうしても”捨てるならコレと言う設問とその理由を解説します。
- NOT問題:選択肢一つずつ検証が必要で時間がかかるため
- 文章挿入問題:前後の文章だけで解けない場合が多いため
- 推測suggest問題:問題文全体と文脈を把握しないと解けない場合が多いため
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の記事をまとめます。
1英語で何か夢を叶えるためにTOEIC受験しているなら長い長文に取り組もう。捨てるのはいつでもできる
2TOEICの長い長文を勉強するとこんなメリットがある
・典型的なジャンル毎に英語文章の構成が理解できる
・長文の読解力と読む速度が向上する
・ダブルパッセージ、トリプルパッセージの読解力も上がる
3長い長文問題の勉強法
1)英文の構成を理解して長文を読む練習をする
2)文章ジャンル、問題タイプ別の自己流の解き方・手順を確立する
3)固有名詞、名前、大文字単語、略字に惑わされない練習をする
4)日本語訳を理解してから英文を音読する
5)初見の長文に慣れる
6)目標スコアの単語を覚える
4最初から問題を捨てることは推奨しませんが、自分が知らない分野やどうしても不明な単語や表現で時間がかかる場合は、その問題は捨てて次の問題に進む
いかがだったでしょうか。
これまで苦手で最初から捨てようかと思っていた長い長文問題に、また挑戦してみようかと少しでも思っていただけたらすごく嬉しいです。