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2025年の全国通訳案内士試験に合格おめでとうございます🎉
私は2年前、7回目の受験で合格しましたが、嬉しさと同時に、「これからどうすればいい?」と戸惑ったのを覚えています。試験前は「ぬか喜びになるかも…」と不安で、合格後の準備を全くしていませんでした。
いざ合格してみると、周りに知り合いはほとんどおらず、手続きや仕事の始め方を1から調べるのに苦労しました。そこで今回は、スムーズに登録を完了し、仕事につなげるための情報をお伝えします。
この記事を読めば、合格後にやるべきことが明確になり、最短ルートで通訳案内士としての一歩を踏み出せるはずです。ぜひ、参考にしてください!
全国通訳案内士試験合格後にやるべきこと
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気持ちと環境の切り替え
すぐにでも手続きをしたい気持ちもありますが、まずは受験者モードから通訳ガイドのプロへのモード切り替えが大切です。そのために次のつのことをぜひ行ってください。
(1)自分へのねぎらい
この試験に挑戦し、諦めずに頑張った自分を思い切り褒めてあげましょう!🎉 お酒が飲める方は美味しいお酒を、そうでない方も好きな食べ物を楽しんで自分へのご褒美を忘れずに。
(2)支えてくれた人への感謝
合格までの道のりを支えてくれた家族や、勉強を教えてくれた方、応援してくれた友人に感謝の気持ちを伝えましょう。「ありがとう」の一言が、今後のつながりにもなります。
(3)合格証のダウンロードと官報の確認
全国通訳案内士試験の合格証はマイページからダウンロードできます。官報にも合格者が掲載されるので、忘れずに確認しておきましょう。ダウンロード・プリントの期限があるため、必ず早めに対応してください!
(4)勉強資料・ノートの整理
合格したら、基本的に試験の勉強は不要になりますが、今後後輩に頼まれてアドバイスする機会があるかもしれません。ノートや資料は科目ごとに整理し、しばらく保管しておくのがおすすめです。
これらをしっかり終えてから、次のステップへ進みましょう。そうしないと、気持ちの切り替えがうまくいかず、空気の抜けた風船のように燃え尽きてしまうことも…。しっかり一区切りをつけて、新たなスタートを切りましょう!
都道府県への登録手続き(通訳案内士証の取得)
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全国通訳案内士として仕事を始めるには、試験合格後に居住地の都道府県で登録を申請し、登録証を取得する必要があります。例外として、関西広域連合内の府県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県)は、関西広域連合が登録窓口となります。
手続きの流れは基本的に全国共通ですが、詳細は都道府県ごとに異なる場合があります。ここでは、三重県の例を紹介します。リンク→ 三重県全国通訳案内士の登録等
必要書類の準備
- 全国通訳案内士登録申請書(第四号様式) (word)
→フォームに書き込むだけなので簡単に作成できます - 健康診断書(別紙1) (word)
→このフォームを持参して近隣の内科に行けば、健診して書いてくれます。
費用は医院によりまちまちですが、私は約¥5,000と高額で驚きました - 全国通訳案内士試験合格証書の写し
→マイページから印刷できます - 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
→この写真が登録証の写真になるので、できれば写真館でフォーマルな服装で撮影することをおすすめします - 住民票抄本
- 収入証紙
→手数料は都道府県により異なりますが、三重県は¥5,100でした。 - 宣誓書(様式不問) (word)
→印刷して書くだけです
申請書類の提出
- 提出先:居住地の都道府県観光課または担当部署
- 受付時間:各都道府県の案内に従う
- 持参するもの:写真付きの公的身分証明書
*事前に窓口に確認することを推奨します(割とマイナーな場所にあって分かり難い)
登録証の受領
- 申請が受理されると、全国通訳案内士登録証が交付されます。
- これで正式に全国通訳案内士として活動可能で、感激します。
その他の手続き
- 任意:通訳案内士登録情報検索サービスへの登録(関西連合事例)
- リンク→通訳案内士登録情報検索サービスのご案内
ここに登録しておくと、たまに検索して仕事の依頼があります。
通訳案内士登録後→仕事を開始するまでの準備
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全国通訳案内士として正式に活動を始めるためには、登録が完了した後もいくつかの準備が必要です。ここでは、まず基本的な登録後から仕事を開始するまでの準備事項を解説し、続いて私が実際に体験しお勧めする方法をお伝えします。
全国通訳案内士の新人研修の受講
毎年の合格発表から春の繁忙期を迎える前ぐらいの時期に、合格者や経験の浅いガイド向けの各団体が新人研修を、実施しています。
具体的には、次のような研修が行われます。
- 基本的なガイディングの方法やヒント
- 通訳案内士に期待されている旅程管理
- 外国人観光客の接客に関する知識
- 業務に関する法令、コンプライアンス
- 仕事の獲得方法 等
この研修は仕事はめるための必須ではありませんが、次のようなメリットがあります。
- 実務習得:ガイド業務に必要な知スキルを体系的に学ぶことができます。
- コミュニケーション:同期合格者や先輩ガイドのつながり、情報交換や相互支援が可能。
- 信頼性の向上:受講によりエージェントや旅行会社からの信頼を得やすくなり、仕事の依頼につながりやすくなります。
ただし、受講費用が高額になることに加え、地方在住の方は東京や大阪での研修に参加する場合、交通費や宿泊費もかかる点に注意が必要です。また、この研修を受けたからといって、すぐに仕事がもらえたり、エージェントに登録してもらえるわけではありません。
主な新人研修を提供する団体
全国通訳向けの新人研修を提供している主な団体に下のものがあります。
一般社団法人日本観光通訳協会(JGA)
は、全国規模で活動する通訳案内士の団体で、新人研修や的な教育プログラムを提供しています。研修内容は、ガイドとしての基本的なスキルから専門的な知識までカバーしています。
協同組合全日本通訳案内士連盟(JFG)
JFGは、通訳案内士が加盟する協同組合で、新人研修や各種セミナ開催しています。実践的な研修を通じて、即戦力となるガイドの育成を目指しています。
#NPO法人日本文化体験交流塾(IJCEE)
IJCEEは、日の普及と国際交流を目的とした団体で、新人ガイド向けの研修施しています。特に文化体験型のガイドに関心のある方に適したプログラムを提供しています。
各団修内容や日程、費用は異なりますので、ご自身の目的やスケジュールに合わせすとをお勧めします。詳細は各団体の公式ウェブサイトをご確認ください。
通訳案内士関連の団体やコミュニティへの参加
全国通訳案内士として活躍するためには、個人のスキル向上だけでなく、業界内でのネットワークを築くことが重要です。通訳案内士関連の団体やコミュニティに参加することで、最新の業界情報を得たり、仕事の機会を増やしたりすることができます。
通訳案内士関連の団体に加入するメリット
通訳案内士団体に加入することで、以下のようなメリットがあります。
① 最新情報の共有
- 観光業界の動向や法改正などの情報を定期的に受け取ることができる
- 通訳案内士に関する新しい制度やルールの変更を素早く把握できる
② 仕事の機会を得る
- 会員限定の求人情報やガイド案件の紹介を受けることができる
- 団体経由で旅行会社やエージェントとつながり、仕事のチャンスを増やす
③ 先輩ガイドの生の経験談、ノウハウが聞ける
- 実際のガイド業務での成功事例や失敗談を共有し、学びを深める
- ベテランガイドから仕事の進め方やトラブル対応のアドバイスをもらえる
これらの団体への所属は義務ではなく、入会したからといって必ず仕事を紹介してもらえるわけではありません。また、会費制の団体もあるため、入会前に活動内容をよく確認し、可能であれば先輩ガイドやSNSで情報発信している人に直接問い合わせるのがおすすめです。
主要な通訳案内士団体
全国には多くの通訳案内士向けの団体があり、それぞれ異なる特色を持っています。
① 日本観光通訳協会(JGA)
- 全国規模の通訳案内士団体で、会員向けのセミナーや交流イベントを開催
- 業界の最新情報を提供し、ガイド業務の向上をサポート
② 全日本通訳案内士連盟(JFG)
- 協同組合形式の団体で、通訳案内士の権利向上や業務支援を行う
- 旅行会社やエージェントとの連携が強く、仕事の斡旋機会が多い
③ 日本文化体験交流塾(IJCEE)
特定の専門分野(茶道、華道、武道など)のガイドスキルを磨くのに適している。
文化体験を重視したガイド活動を推奨し、伝統文化に関する講習を実施
旅程管理主任者資格の取得
旅程管理主任者資格(以下、旅程管理資格)団体ツアーの添乗業務には必須の資格でを取得すると、仕事の幅が広がります。
1. 旅程管理主任者資格とは?
旅行業法に基づき団体ツアーの添乗業務を行うために必要な資格で、次の2種類があります。
- 総合旅程管理主任者:国内・海外ツアーの添乗が可能
- 国内旅程管理主任者:国内ツアーのみ対応
全国通訳案内士の資格だけでは団体ツアーの添乗は不可です。
2. 資格を取得するメリット
① 仕事の幅が広がり、収入を得るチャンスが広がる
- 団体ツアーの添乗が可能になり、仕事の機会が増える
- 旅行会社やエージェントからの依頼を受けやすくなる
- 長期間の案件が多く、収入が期待できる
③ トラブル対応力が向上する
- 旅程管理を学ぶことで、緊急対応力が身につく
3. 資格の取得方法
① 旅程管理研修を受講
登録研修機関の基礎研修を受講し、旅行業法や旅程管理の基本を学ぶ。
② 添乗実務研修を受ける
旅行会社で実際の団体ツアーに同行し、添乗業務を経験する。
③ 資格申請し、証明書を取得
研修修了後、「旅程管理主任者資格証明書」が発行される。
4. 研修を実施している機関
研修は、以下の国土交通省登録研修機関で受講可能。
- 日本添乗サービス協会(TCSA)
- 全国旅行業協会(ANTA)
- JTBやHISなどの研修機関
費用は2万~4万円程度で、オンラインと対面講習を組み合わせた形式が多い。
名刺の作成とプロフィール準備
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全国通訳案内士として仕事を始めるにあたり、自分を知ってもらうための名刺とプロフィールの準備は重要です。名刺はエージェントや旅行会社との商談、ツアー中の自己紹介で役立ち、プロフィールは特にオンラインでの集客やコミュニケーションに重要です。
4-1. 名刺の作成
名刺は、全国通訳案内士としての信頼性を高め、仕事のチャンスを広げるための重要なツールです。
① 名刺に記載すべき情報
名刺には、最低限以下の情報を記載しましょう。
- 氏名(漢字・ローマ字)
- 資格(全国通訳案内士 + 言語)
- 対応可能な業務、得意分野(観光ガイド、ビジネス通訳など)
- 連絡先(メールアドレス・電話番号)
- プロフィールページやSNSのQRコード(任意)
② 名刺のデザインと作成方法
デザインはシンプルかつプロフェッショナルなものがおすすめです。
- 業者で作成:ネット印刷サービス(Vistaprint、ラクスルなど)を利用
- 自作:CanvaやPowerPointで作成し、自宅で印刷または印刷会社に発注
4-2. プロフィール準備
今ではオンライン上のプロフィールは名刺と同じ役割を持ちます。SNS投稿からプロフィールを見て旅行会社や個人旅行者から直接問い合わせがあるケースもあります。
① プロフィールに記載すべき情報
プロフィールには、以下の情報を整理して記載しましょう。
- 氏名(ローマ字・漢字)
- 対応言語とレベル(英語・中国語など)
- 得意分野(歴史・食文化・アニメ・ビジネス通訳など)
- 対応可能な業務(ツアーガイド、企業視察、VIPアテンドなど)
- 実績や経験(ガイド歴・特筆すべきツアー経験)
- できれば写真(自分らしい印象のもの)
- 自己アピール:短く簡潔に「このガイドに依頼したい」と思わせる個性を加える(趣味や特技等)
旅行エージェント、添乗員、通訳派遣会社への登録
全国通訳案内士試験に合格したら、まずは旅行エージェントや添乗員、通訳派遣会社への登録し、徐々に経験を積むのがベストです。ベテランガイドでも個人で営業だけでなく、エージェントや派遣会社経由で仕事を受けています。
5-1. 旅行エージェントへの登録
旅行エージェント(旅行会社)を通じて仕事を得る方法は、特に団体ツアーやVIP対応の案件が多いのが特徴です。
① 旅行エージェントの役割
旅行エージェントは、訪日外国人向けのツアーを企画・販売し、通訳案内士を手配する役割を担っています。登録することで、以下のような仕事を得られる可能性があります。
- 団体ツアーの観光ガイド(バスツアー、テーマ別ツアー)
- 個人旅行者向けのプライベートガイド(高級ツアー、体験型ツアー)
- 企業視察やMICE(国際会議)のアテンド
② 主要な旅行エージェント
全国通訳案内士が登録できる代表的な旅行エージェントは以下のとおりです。
- JTB(日本最大手、VIP案件あり)
- HIS(団体ツアー案件が豊富)
- クラブツーリズム(シニア向けツアーが多い)
③ 旅行エージェント登録時のポイント
- 履歴書や業務経歴書をしっかり作成し面接を受ける
- 得意分野(歴史、食文化、アウトドアなど)を明確に伝える
5-2. 添乗員(ツアーコンダクター)の登録
添乗員の仕事は、旅行会社が企画する団体ツアーに同行し、旅程管理やサポートを行う役割です。旅程管理主任者資格が必要ですが、全国通訳案内士としてのスキルを活かしながら働くことができます。
① 添乗員の業務内容
- 旅行中のスケジュール管理、案内
- 参加者のサポート(ホテル・レストラン・移動の手配)
- トラブル対応(遅延やキャンセル対応など)
② 主な添乗員派遣会社
- TEI(Travel Escort International)
- ツーリストエキスパーツ
- JTBグループの添乗員派遣会社
③ 添乗員登録のメリット
- 安定した収入につながる(長期案件が多い)
- ツアーガイド経験を積むことで通訳案内士業務にも役立つ
5-3. 通訳派遣会社への登録
通訳派遣会社では、観光以外の仕事(ビジネス通訳、イベント通訳、医療通訳など)の案件を扱っています。全国通訳案内士の資格を活かして通訳業務をしたい人にはおすすめです。
① 通訳派遣会社の仕事の特徴
- 企業視察・MICE通訳(商談、展示会、工場見学など)
- スポーツイベントや国際会議の通訳
- VIP・政府関係者のアテンド通訳
② 主な通訳派遣会社
- サイマル・インターナショナル(高単価の通訳案件が多い)
- アイ・エス・エス(ISS)(ビジネス通訳専門)
- グローバルスタッフ(幅広い分野の通訳案件を取り扱い)
③ 通訳派遣会社登録時のポイント
- 登録時に通訳スキルのテストがある場合が多い
- 通訳実績があると高単価案件を受けやすい
- 観光ガイドとは異なる専門知識(経済・医療など)が求められる
仕事の始め方(私の体験談)
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全国通訳案内士として仕事を始める方法はいくつかありますが、私の場合は、まずベテランの先輩ガイドとつながり、その方にエージェントを紹介してもらったことで、話がスムーズに進みました。 その後、新人研修や旅程管理主任者資格を取得し、資格取得後わずか2ヶ月でインバウンドのロングツアーを担当することができました。
ここでは、あくまで「私の事例」として、どのように仕事を獲得したのかを紹介します。皆さんがご自身に合った方法を見つける際の参考になれば幸いです。
仕事を紹介してもらうために先輩ガイドとつながる
資格を取得しただけでは仕事は得られません。そこで、私が最初に行ったのは「実際に仕事をしているベテランの先輩ガイドとつながること」でした。
具体的には、自分の近所で活動している全国通訳案内士を探し、直接連絡を取り、会いに行きました。 そこで、その方からエージェントの紹介や仕事の流れ、実際の働き方 について話を聞かせてもらいました。
結果として、その先輩ガイドがエージェントに推薦してくれたことで、通常よりもスムーズに登録が進み、すぐに仕事を任せてもらえる環境が整いました。エージェント側も、すでに信頼のあるガイドの紹介なら安心して仕事を任せやすいのです。
エージェントに登録して、そこで新人研修と旅程管理主任者資格を取得
先輩ガイドに紹介してもらったエージェントに登録後、私は新人研修を受講し、同時に団体ツアーの添乗業務に必要な旅程管理主任者資格も取得しました。
このおかげで、「仕事に直結するスキルを最短で身につける」ことができ、旅程管理主任者資格を取得したおかげで、エージェントの研修を受けた直後にロングツアーの仕事をアサインしてもらうことができました。
先輩ガイドを見つけるコツ
多くの方は、仕事を得るには「まず情報収集をし、知識やスキルを身につける」と考えがちですが、私は「経験者に会って直接話を聞き、必要な行動をする」ことを重視しました。
① SNSを活用して近所のガイドを探す
- FacebookグループやX(旧Twitter)で「通訳案内士」や「ガイド」で検索
- 実際に投稿をしている人にコンタクトを取る
② 自分のやりたいことと似た仕事をしている人を選ぶ
- 自分がやりたいツアー内容や対象客層が近いガイドを探す
- その人の実績や仕事スタイルを調べ、共通点を見つける
③ 直接会いに行く
- オンラインではなく、対面で話すことで信頼を得やすい
- 仕事の流れや具体的なアドバイスをもらいやすい
4. まとめ
全国通訳案内士試験に合格後に行うことは、登録手続きと仕事を得るための準備を進めることです。
しかし、その前に自分をねぎらい、支えてくれた人に感謝を伝え気持ちを受験者からプロ通訳に切り替えましょう。そして、都道府県への登録手続きを行い、全国通訳案内士証を取得します。
仕事を獲得するには、新人研修の受講、通訳案内士団体・コミュニティへの参加、名刺やプロフィールの準備が役立ちます。さらに、旅行エージェントや通訳派遣会社への登録、旅程管理主任者資格の取得が、仕事を得るための基本的なステップとなります。
ただし、先輩ガイドとつながり、エージェントを紹介してもらうことで、信頼を獲得し最短ルートで仕事を獲得できるチャンスもあります。
この記事が、今年合格された皆さんのお役に立てば幸いです。
以上、全国通訳案内士に合格したらやるべきことと、仕事の始め方【2025年】 でした。